鋼FA23話「戦場の少女」感想

鋼FAの感想はハイクで済ませようと思っていたのだけれど、ちょっと今回は色々考え過ぎたので別エントリにしてみる。
えーと私はたぶん原作の時点でかなり思い違いをしていたんだな。「戦場の少女」ってのは「戦場に巻き込まれてしまったウィンリィ」だけではなく、戦場で多大な自己犠牲を払うランファンであり戦闘員としてのメイであり、もっと広げればホークアイ中尉も「戦場の少女」だったんだな。中尉は少女って年じゃないけどな!


ランファンの台詞「もうお役に立てません」が痛かった…自分の左腕がもう使い物にならないとわかって、最初に思うことが「もうリンの役に立てないかもしれない」ってことだったとは。手術後にエドとの会話で「お前のトラップ(最初のシン組と兄弟の喧嘩で見せた、腕を囮に使う方法)は役に立ったけどもう使えない。代わりの腕が必要だ」ってのも。生身の腕は他に代えようのないものなのに。
あと気付いたこと。エドはランファンを「女の子」としては絶対に見ないんだな。ウィンリィ絡みのシーンはずっと彼女を泣かせないように、少しでも救いになるようにと考え込んでいたけれど、ランファンに腕のことを持ちだされたときは少しも苦しそうな表情を見せなかった。ここで一瞬間をとって「腕を失う辛さ」に思いを馳せることはできたのに。ランファンはエドの中で女の子ではなく、同じ「格闘する者」なんだ。うーむ。
あーそういえばエドは原作22巻のプライド戦でも、ランファン思いっきり蹴飛ばしていたなあーと思ったのでした。ウィンリィはもとより、メイに対しても暴力的行動にはほとんど出ないのに、ランファンはある意味特別なのかもしれない。
しかしランファンが己を「格闘する者」だと思っていて、そう周囲にも扱ってほしいのだとしたら、彼女がひとりの女の子として幸せになるのはいつ、誰によってなんだろう。それだけが生きる道ではない、というところで終結すんだろうか。まあ、そりゃそーなんだけどさ。「実は故郷にリン以外の幼馴染がいて、その人と云々」ってなったら驚く(笑)



グラトニー覚醒に至る小屋でのシーンは次週に持ち越して、ウィンリィの「惚れてたのかも」で引きだと思っていたんだけども意外と行ったな、シーン。ウィンリィ中心エピソードだと考えればその方が良かったのかもしれないけれど、「鋼の錬金術師」の中心はその話じゃないからな。だからこの流し方は好きです。流してるわりに手の表情とか目線とか細かいし。


来週は「腹の中」か…そーいやもうすぐ軍部の陰謀が明らかになるから、そういう意味での「腹の中」もサブタイに含まれている?