いよいよですね

すっかりブログをさぼっています。すみませんねー。kohalogicalです。演劇のほうも、2本ばかりレビュー書いてないのがあったり。もう今更なので簡単に触れておくとシャチキス「伝説との距離」とテレサ・ルドヴィコ演出「旅とあいつとお姫様」を9月に見てきました。シャチキスは「演劇なのに台詞だけで美味しそう」というのを成立させていて素晴らしい舞台で、何より少年社中の皆さんのうまくなりっぷりはここ1年くらい目覚ましいものがあると思います。しばらく、あまり面白くない時期が続いていたので何とも喜ばしい。ルドヴィコ演出の童話シリーズは独特の美意識とエロティシズムがあって流石でした。子どもが喜びそうな「秘密」感が溢れていて。KONTAさん(元バービーボーイズ)は小ネタで童謡を口ずさむだけでも、えもいわれぬ色っぽさがあって凄かった。
さて本題。テレビのみですがジャパンオープンを観ました。以下メモ。
【男子】
ジェフリー・バトルの王子様っぷりは綺麗な顔でもスタイルでもなくて、足首に宿っているのだと再確認しました。そりゃ現役バリバリの子らに比べれば…という部分はありますが、ふとした瞬間が美しくて、やはりこの人はプリンスなのだと再認識。
ブレジナはようやく「外向き」になってきた感じ。同じプログラムとは思えない感じで周りが見えている。
・小塚君は腕と背中がすごく良くなっていて驚いた。こちらも一皮むけたな。なんとなーく堅かった背中がとても語るようになっていて、足元が雄弁な人が背中でも語れるようになると強いぞと。
・アダムはおそらく全米チャンプになるんじゃないか…と随所で言われていたけれど、わたしもそんなことを思いました。いつの間にこんなにウェルバランスな選手になったんだろう。そして、あんだけいい演技だったのにちょっとドヤ顔しただけで「当然ですよ」みたいな反応だったことにうっかりときめいた。耳慣れたラフマニノフがすごく充実して聞こえて、彼は本当に旬なんだなと思った次第。
プルシェンコプルシェンコでした。興行成績NO.1の映画みたいな気分。内容とエンターテインメント性は保証されてまっせ、みたいな。
・高橋君なのにステップが盛り上がらなかったところにピアソラの難しさを感じました。でも、これがステップに至るまで気合が充実したら凄まじいと思うの。

ブレジナ・小塚・アダムあたりの「今が旬!」という感じが凄く良かった。3人とも、これからを「自分たちの時代」だと思ってるんじゃないかなっていう。特にアダムは、もう誰も彼を「気運に乗っただけ」とは言わないだろうなと思った。ジュニアチャンプになった頃のコーチの言っていた「全米チャンプの器」というのは全然間違いじゃなかったと証明された感じで(まあ、あのままそこにいて今みたいになれたかは定かでないけど、才能はちゃんと見抜いてたよねっていう)。逆に高橋君はもう円熟期で、これから闘うのは自分自身なんだぜ、という気迫を感じます。男子シングル、これからも面白そう。

【女子】
・セベ姐のかっこよさに「ユリア様あああ!」と叫んだとか、叫んでないとか。あのルッツが生で観れた人が羨ましい。成績は散々でしたが、楽しそうなユリアさんが観れて良かった。
・耳なじんだ曲をベテランがやっているのに新鮮、という境地を安藤美姫で見いだすと思っていなかったので、嬉しい驚きです。有香さんも言っていましたが「美しい」演技だった。できたてのプログラムなのでまだ試行錯誤中だと思うけど、音楽を愛していれば伝わるものってあるから、その方向で進んでほしいと思った。
・ファヌフの肌の色によく合う白だなあ…と思っていたら、ちょっとテニスのスコートっぽいんだなあとか考えてしまった。テニスコート似合いそうだよね、ファヌフ。彼女のプログラムも「ベテランが耳なじんだ曲をやっているのに新鮮」という感じで凄く良かったです。定番曲なのに個性的なパガニーニでした。
・素敵衣装とマニアックな選曲が健在のサラ・マイヤーなのですが、なにぶんN杯直前棄権のおもひでがあるだけに「元気で滑ってくれるだけで…」みたいに思っちゃうんだよね。全体的にはリリカルさがあって相変わらず素敵だったけど。早いとこ、彼女の演技をきちんと観れるようになりたい。
・色々と調整中っぽい真央嬢ですが、いい感じじゃないかなと思った。エキシも含めて、彼女に求められているのは「今までも似合いそうだと言われていたものを、新しい自分として表現する」っていう難しいことだと思うし、それに加えて技術も建て直していかなきゃいけない。でも、今のところその手綱をしっかりコーチが握っていそうで安心しました。身体もきちんと絞れていたし。やはり餅は餅屋なので、スケートベースで鍛えていくほうがいいと思います。
ジョアニーの安心感がショーにおけるシズカ・アラカワのようでした。この人でてくれば締まるよ!みたいな。バンクーバーで一番「女王様」っぽさを手にしたのはジョアニーのような気がする。重厚かつ華やかなサムデリで、この人本当に今季休むの!?みたいな。いいもの観ました。

男子も女子も、やっぱり五輪シーズンって大変だったんだよねえ…と思ったのは、たぶん「五輪枠争いをがんばらなきゃいけなかった人」がこのオフで凄い伸びていたからで。気持ちを落ち着けて自分と向き合えた成果が出ている、良い前哨戦だったんじゃないかと思います。仲のよさそうな各国キスクラもみものでしたし。あと、細かいルール変更のおかげでプログラムの「色々やんなきゃ怒られちゃう」感が薄れていて、落ち着いて見ることができました。ファヌフのスパイラルとか凄く良かったと思う。