スケートアメリカ男子シングル覚書

週末忙しかったのでスケアメの録画チェックが遅れております。だがしかし、観てしまわなくては次がつかえるので男子から観てみた。変プロと北米系が次々と訪れてカオス!→男子リザルト

総合1位 エヴァン・ライサチェク
とりあえず何年越しかのスケートアメリカ優勝おめでとう。NHK杯に行って「自国開催の辛さ」を肌で感じてきた身としては、あの喜び方もさもありなんといった感じでした。だがしかし、プログラム自体に納得・絶賛な気持ちになれるかというとそんなことはなく。
…なんだろうなあ。見せ場のSlStが浮いてるように感じるんだよ。シェヘラも序盤〜中盤にかけてはアラビアンな動きが入ってるのだけど、ステップは相変わらずのライサステップだし。そこまでは表現の全体形が見えるのに、いきなり「盛り上がる曲で盛り上がるステップ」になる。これってたぶん衣装もだよね。細かいデザインで主張は見えるけど、全体の印象は「黒い」「長い」になってる。そういうの勿体無いと思うんだけどなあ。
去年で腕の使い方は良くなったと思うから、それを見せ場でも活かして欲しい気持ちもあるし。

総合2位 ショーン・ソーヤー
すばらしい音楽表現と軟体スピン、安定しない3Aを引っさげてソーヤーが!ソーヤーが2位ですよ!SPもFSも好きなので嬉しいです。おめでとう!しかしFSのアマデウスはだんだん祭り感が薄れてる気がして、そこはちょっと残念。たぶん序盤、レクイエムと交響曲第40番の見せ方がうまくなってるから、相対してアイネ・クライネ・ナハト・ムジークのばーんという感じが薄れているんだけど。やっぱりもっといけるプロだと思うので、遊んじゃって欲しいなあ。享楽的で可愛くて少し暗くて怖い、モーツァルトの多面性がよく出たプログラムだと思います。
しかし衣装…去年からこうだけどもっと華やかにする気はないのかなあ。個人的に赤いコートを着て欲しいので(ミュージカルのほうに因んで)、織田君セビリア衣装みたいのを期待してるんだけど。

総合3位 ライアン・ブラッドリー
2位の人がバレエジャンプからトリプル跳ぶ人だったのに対し、くわど2回跳んだモーツァルトさんです。どっちもモーツァルトのぴょんぴょんした感じが出ていて好きです。ノリノリになった途端にみんなのアイドルと化す経営者にモーツァルトは本当に似合っていて幸せでした。こっちは衣装もレトロ可愛かったです。しかしモーツァルトフィギュアスケートに合うね。華やかで華麗で重くなりすぎず、全体に跳んでる感じのあるところが。耳馴染みも良くて盛り上がるし。ちょっとボーイッシュな印象のある女子選手にもいいと思うんですよね…と東海地方をガン見しながら言ってみる。

総合4位 フロラン・アモディオ
ロステレコムで見たときは「まだまだ諸先輩方に比べると青いかな」と思ったが、今回はそんなこと全然なくてちょっと驚いた。何この子。特にFSはあまり脈絡のない曲を繋いでいるのに、きちんと表現したいことがわかって、これは凄いなあと。
メイクと衣装からするとピエロやサーカスなんだろうけど、ああいう世界の華やかでわくわくするけど物悲しい感じがよく出ていて素敵だった。ジュニアで活躍した選手とはいえ、多くのお客さんは彼に始めて出会うわけで、そういう人たちをこういう個性で惹きつけられるっていうのは強いなあ。ちょっと遊園地行きたくなった。

総合5位 トマシュ・ベルネル
SPの蒼白っぷりはイェテボリ再びな感じでしたが、FSも調子最悪っぽいわりにまとめられて良かった。しかしまあ、このプロはマイムのキレが悪いとどうしようもなく見えるんだなあ…。ゴッドファーザーのテーマでまんま映画を表現しようとする人っていうのも、どうにも珍しい気が。いい演技だと感動的なので、いい演技を期待。

総合6位 ケヴィン・レイノルズ
何故FSを映さない。
ええとSP良かったです。稔も言ってたけど上手になったねって感じ。今の採点法向きじゃない選手だったのが、そっちの方面もうまく取り入れて対策してきたなと思った。ただ、なかなか点が伸びないのは仕方ないよね。ジャンプミスがあれだけあれば。できることからコツコツとやっていけば報われると思います。思いたい。

総合7位 アドリアン・シュルタイス
彼の場合、もちろん真骨頂はFSなんですが、じっと見ているとどうも目眩とか動悸とか息切れが…こ…これで五輪を目指すつもりなんですよね…しかしベルントソンさんも「自分がイケメンだと気付いたナルシスト」で五輪を目指すんですよ…ね…スウェーデンナショナル、カオス。何を今更。

総合8位 ブランドン・ムロズ
SPなかなかFS自爆だったのはともかく、彼もうまくなったなと思いました。特に上体の使い方が良くなってる気がする。コロラド組は本当に腕の処理がうまいなーと思っていて、だいたい下位選手とかってポーズ取ったあとの軌道が汚いか直線的で動きがあまるんだけど、そういうことが全然なく。個人的にはブラッドリーっぽい色合いのマンボより、ムロズさんだからこそ表現できる気がするベトベンのほうが好きです。いい具合にまとめられるようになるといいね!

総合9位 南里康晴
なんかうまくなったと思います。順位はちょっと残念だけど、身体の使い方が大きくなって、照れやはにかみが消えてきた。アランフェス、要素前後のマイムも「やってます」感がようやく消えてきたよね。SPもFSも彼によく似合った曲だ。次は是非、納得の行く演技を。どこかカメラのあるところで!

総合10位 アンドレイ・ルタイ
もーちっとこう…普通の衣装で普通のことはやらせてもらえないのだろうか。FSのペールギュントは謎という噂でしたが、去年確かシュルタイスが変なペールギュントをやっていて、今年は更に変なことになっているので、あまり違和感を感じなかったというか(←間違っている)。しかしヴォロノフやボロデュリンと代表枠争うには、あまりにもスウェーデン風なプログラムじゃありませんか、ルタイさんよお!

総合11位 ジャーリャン・ウー
動きの処理の仕方が雑なのがとにかく勿体無い。こういうところはコロラド組を見習って欲しいものです。あと、ヒゲはちゃんとそった方がいいんじゃないかと思う。スタンディング・ザ・ストーム、悪くないと思うから、ちゃんとこなれたところを四大陸やワールドで見せてほしい。

総合12位 イゴール・マツプラ
SPしか見れていないのですが、私にはBlues for klookの人気の理由がわかりません。んー、ジャンプ跳びやすいとか?もっと王子なプロを王子な雰囲気でやってくれると嵌るし点も伸びるような気がするんだけど。