Carnival on Ice備忘録

ちょっと色々アクシデント続きな日でした。まず駅でコートのファスナーがエスカレーターに挟まれて壊れ、間違って浦和美園まで行ってしまい、その後タクシーで30分遅れで会場に到着し、帰りは帰りでうっかり埼京線を逆走しかけるという体たらく。厄日なのか、あるいは新しい髪型が気に入ったのと等価交換なのか。
そんなわけで早くベッドに入りたいんだけど、感想って日が経つとつい忘れてしまうから備忘録だけ書いておく。ちなみに私が観たのはアボットから。
1.音楽を表現するということ
会場でスケートを観ていて「ああ、これいいな」と思う人って、音楽がその人に向かって降り注いでいる気がするんですけど、やっぱりプロの人々はそれが凄いなと思いました。荒川・ヤグディン・バトル。全員方向性は違うんですけど、荒川さんはやっぱりあれだけ会場を沸かせた高橋君の後で滑っても格が違うなと思ったし、ヤグディンもなんつーか、技術がどうとかよりも「ああ、この人にコマされたい」って感じ。バトルさんはアンコールのアベマリア?が泣けた。イナバウアーとイーグルに心がほうっとなった。
マチュアで良かったのはアボットレピストさん、ジョアニー。美姫ちゃんもアンコールのFSは良かったけどSPはまだまだ。
あと、ランビエールさんと高橋君は「曲が降り注いでいる」っていうか「降り注ぐ曲が本人に反射して混ざって濃い霧のように立ち込めている」感じで、それはそれですごいやと思ったのでした。
2.五輪シーズンの自己評価ということ
ジョアニーはもう自分を「トップには少し足りないポジション」とは思っていないんだろうなと感じました。去年の経験をきちんと自信にしていて、それがみなぎっている。一方、日本女子はまだそれが足りないのかもしれないと思った。でもほぼ確実に五輪に選ばれるジョアニーと違って、日本のメンバーは全日本までわからないので、それくらいの克己心を持って頑張った方がいいのやもしれん。
3.高橋大輔の帰還
今回観ていて、高橋君の滑りって日本的だなあと思いました。タンゴという色っぽい曲で、高橋大輔という色っぽい個性で滑っているんだけど、どうにも女性の影がよぎらないというか。SlSt前の感じとか、すでに歌舞伎の見得切りのようだよね。和風こいくちスケーター・高橋の帰還。お見事でした。
4.織田信成疲労
まだ滑り込んでいないSPの披露ということもあったろうけれど、織田君の疲れっぷりが気になりました。いや、SP滑った後にFS連続ジャンプ〜SlStって疲れるのはわかるけど、去年トスカで異様に元気よく跳びまくっていた人じゃない?ジャンプがものっそいパンクしてたし、大丈夫かあ?という気持ちに。それが心配で、正直プロ自体の心配にまで気持ちが行きつけていない。っていうかあの状態じゃよしあしの判断なんかつかないって!まあ、3週連続でショー、しかも移動有りってのは大変だったろうけどさ。
5.安藤美姫・謎プロ勝負
美姫ちゃんは織田君よかは元気そうでしたが、曲の掛け直しとか転倒とかあって流れが途切れた感じ。これもまた、ショーだけでは判別がつかない。衣装は演劇的で素敵だったし、たぶん表現したいことのある選曲なんだろうから。
ていうか美姫ちゃんって実はリフレイン系の曲好きだよね。自分で選んだ戦メリも去年SPもリフレイン系だった。今年はマイケル・ナイマンの「夜の女王」らしくて、どうせナイマンでリフレイン系ならメジャーに「ピアノ・レッスン」をやってもらいたかったとか思うけど、とりあえず今後どうプロが成長していくのかを見守りたい。っていうか、意匠あしらい系衣装スキーとしては、あの衣装だけでご飯3杯くらいいけるので、良プロになってほしいです。
危惧されていたローマは普通に盛り上がりそうな感じでした。良いプログラムっぽくてドキドキした。最後のジャンプ跳んで挑発的なしぐさをするのがかっこいい。今年はSPもFSも演劇的で、少なくとも目立つプロだとは思います。「退屈」「どうにかならないの?」「似合わない」ではなく「いやあ…悪くないし似合ってるけど…」みたいにざわざわする感じ。そのざわざわをどう昇華させるかはモロゾフと美姫にかかっている!
6.ランビエールさん運動会へ行く
あの、この時期にこの国で「ウィリアム・テル序曲」は卑怯だと思うんです。私、会場間違えて「ランビエール・オン・アイス」に来たのかと思ってしまうような感じでした。しかしまあ、ホスト国のスケーターに五輪金メダリストがひとり、世界選手権金メダリストが3人もいる状況で、なぜランビエールがトリなのか。誰の趣味だ。テレビ東京か。とりあえず真央⇒バトル⇒美姫⇒ランビエールって、なんだろうこの順番。
7.フィナーレに泣く
荒川さんのトゥーランドットから入り、荒川・本田・バトル・ヤグディンで滑り、そこから現役選手につなぐという…これ泣くだろうって演出。しかし、その現役選手の中に主役みたいな顔して後から入ってきてスピンするランビエール、本当におまえは誰だ。そして真央嬢がここで最後に入ってくるなら最初からトリにすryいやだって、日本のショーなら荒川さんか真央嬢トリが一番丸く収まる感あるじゃん…

あ、ええと真央嬢の滑りにはカプリースですら重めだなあと感じました。家に帰ってきたら親が「真央ちゃんのあの曲は重すぎるYO!もっとメルヒェンでファンタジックで軽やかな曲で滑る真央ちゃんが観たいYO!」と言っていて、そんなんあたしに言われたかてしゃあないやないの、と思ったのでした。でも私もピアノ曲ショパン滑る真央嬢が観たいという気持ちが根底にはあったりするんだけれど。
ああ、あとアボットの使ってる曲がほしいと思ったんだ。それとレピストさんのリボンエキシが素敵だった。なんだっけあの曲…ロシア民謡?あの曲聞くたびに「落ち葉の舞い散る停車場は〜悲しい女の吹き溜り」って曲を思い出す。さながらOtonalを聞いて「あなた変わりはないですか〜」と思い浮かべるように。はい、私だけですね。
そして録画をチェックしたら、間違ってJOではなくJO特番を録画していたことに気付いてへなへなと崩れ落ちたのでした。なんたるバッド・デイ。