これが噂のレクイエム

とりあえずまた書くかと思うけれど、DOIでやって以来名作とのうわさが高かった安藤美姫選手のレクイエムを見たので。

最初はずっと暗闇を何かから逃げて走っていて、倒れこんで立ちあがってからは自分の意思で疾走していく感じ。オルガンのときも「夜明けの森を飛び立っていく大きな鳥みたいだ」と思っていたけれど、それに磨きがかかったような。うまく整理できないけれど、非常に胸があつくなった。振付師もスケーターも安藤美姫というひとの多様性をまるごと受け止めていないとできないプログラムで、すべてを抱擁して駆け抜けていく生き方は彼女にしか表現できないテーマなのでとてもうれしいし素敵だ。
遠くから彼女を愛する者として、彼女が彼女の素敵さを両手いっぱいに抱いて強い目で走っていけることを願っている。それはクワドとか3-3とかそういう問題じゃないんだ。俳優が俳優として舞台で光を浴びることに感動を覚えるように、作家のインスピレーションが多くに愛される感動のように、音楽が誰かに口ずさまれている奇蹟のように、彼女が彼女であることの最高の表現が最高の舞台でなされますように。