観劇四番勝負

東海地方の皆さまおよび出かけたスケートファンの方は、非常に「THE ICE」を楽しまれたことと思います。私は芝居漬けの週末でした。そのうち2本は映像だったのですが。まあ芝居は芝居ということで。

1.「すべての風景の中にあなたがいます」キャラメルボックス
銀座のTOEIで開催中のLivespireにて。二本立ての一本目です。
偶然の出会いで運命を感じた男女。男の生きる時代は2006年、女の生きる時代は2033年。ふたりは出会った場所に小箱を置いて文通を始め愛を深めるが、女は男が2006年に山で遭難して死ぬことを知ってしまい…という話。時間を超えた愛って定番のテーマだし、生涯を乗り越えて「あなたに会いたい」だけで走り抜ける男ってのもキャラメルボックスお得意なんだけど、それでも浩一のひたむきさにきゅんときてしまった。ラストシーン、沙穂流のために決死の時間旅行に望む姿の不思議な説得力。そして見つめあうふたりの雄弁さ。一瞬にしてお邪魔虫と化す親友(笑)オープニングのダンスがかっこよかった。走り続ける感じで。

2.「光の帝国」
「すべての〜」は原作未読だったのですが、こちらは既読。「大きな引き出し」をメインで持ってくることは知っていたのですが、まさかこう来るか!の連続だったり。メインストーリーは一緒なのだけれど、春田一家の「しまう」という能力がなんなのかを理解・分解・再構築していてなるほどと思った。原作が「そういう力だから」開花したのに対して、こちらは少年の心の成長、人との触れ合いが起爆剤になったことが丁寧に描かれる。頑固な老人と孤独な少年って「夏の庭」なんかで定番のテーマだけれど、それが入ったことによってぐっと求心力が強くなった。欲をいうなら二点。悠介がスクラップブックを読むシーンはまわりがせかさないほうが泣けるのと、15年後のやりとりはもう少しどうにかなった気がする。ちょっとシビアになりすぎたような。

3.子どものためのシェイクスピアシアター「マクベス
とーっても楽しみにしていた「マクベス」なのに、非常に体調が悪くて意識が途切れて仕方なかった…なんで!私は授業や仕事中は眠くても芝居中は眠くないという能力の持ち主なのにorz…いや…それは人としてどうなの。
話としては非常に面白かったです。特にレディ・マクベスの緊迫感が。シェイクスピアの書く女性って、非常にリベラルでしたたかで強くて脆くて可愛いんだよなあ。「十二夜」のヴァイオラや「ヴェニスの商人」のポーラは言わずもがな、ジュリエットだってしたたかだし、レディ・マクベスだって充分に可愛いと思います。夫を叱咤激励し、陰に日向に罪を一緒に背負っているレディ・マクベスだけれど、破滅が夫よりも早いというのが非常に泣けるポイントだと思っていて。だってマクベスが幻影を見るシーンではひたすら彼をフォローしているのに、夢遊病におかされて死んでしまうのは彼女の方が早いのだから、きっと辛さを溜め込んでいたんだろうなと考えるわけですよ。くう。
かえすがえすも体調が悪かったのが…orz万歳マクベス…っ。原作読みますもう一度。

4.「瞼の母ラプソディ」
友人がスタッフをやっている関係で観に行きました。生まれて初めて大衆演劇です。女形です。佐藤蛾次郎氏を生で見れるとは!って感じ。ストーリーとしてはあれですが(私が求めてるものはない感じ)、いやあ芸達者な人ってすごいなと思いました。