Ready,Steady,GoのSteadyらへんにいる全日本チャンプのお話

織田君インタ@Absolute Skatingを読んだ。日本人が日本人に日本語でインタビューした内容を英語で読むってなんとなく不思議な感じがする。以下、きになったことだけ箇条書き。

・昨季は目標(試合でのクワド成功)を達成できたので満足。

・シーズンが始まるまでは色々と自身もなかったしネガティブになりがちだった。ワールドではやらかしたけどいい演技ができて、クワドもできて、お客さんにも喜んでもらえたので満足している。

・挑戦なくして得るものなしというストイコ先輩の考えにはおおむね同意。

・「スケーターはもっとマッチョであるべきだ」問題については、自分もソフトなほうだと思うので(笑)でもマッチョかマッチョじゃないかより、色んなスケーターがいて自分らしい表現を目指していくべきだという考え。でもマッチョになるべく超トレーニングする予定。

・ミーシン先生がNHK杯で自分について駄目出ししていた件は超嬉しい。どうでもいい選手には言わないことだし。

・PCS伸び悩み問題は第一目標がクワドだったので想定内。今季はクワドとPCSの両立を目指す。

・コンボ違反の原因は「世界選手権だー!みんなトップだすげーぞ!」的にテンションがあがってやらかす。テンション上がっても頭は冷静であるようにしたい。(頼むよ)

・昨季はとにかく自身を持つこと、自分の魅力はなんであり欠点はなんなのか正確に捉えること、自分の体の使い方を意識することに重点を置いた。あと技術面。

・今季は技術面での安定と表現力の強化を目指す。クワドも安定して決められるようになる。

・エリックはジュベールポンセロやベルネルといった素晴らしいスケーターと一緒に試合ができて幸せ。

五輪の話、教師になるという夢についての話はここでは割愛。

Actually, I am lazy by nature. And I easily fall into negative thinking.
So I have to be more positive and overcome such weaknesses, otherwise I can’t reach the level to compete with the top-level skaters.

なんか、いい言葉だなと思った。大切な心構えです。

彼はさらっと復帰してローカル大会でもNHK杯やナショナルでも優勝して四大陸もワールドも入賞したけど、例え怪我が原因ではない欠場であっても、いやだからこそ、私たちが思うよりずっと試合に出て勝つ精神状態に持っていくのが難しかったのかもしれない。織田信成というスケーターの魅力をなまじ知っているから「こんなプログラムでいいの?」「こんな試合運びでいいの?」と思っていたけれど、復帰のシーズンということを思えば上出来すぎるくらいなのかもなあと思いました。

オフアイスでのごたごたを抱えていたのは紛れもない事実ですが、五輪前のシーズンに、これだけ才能はあるのに問題のある選手たちが集ってしまったチームが、それぞれみんな自分の目標を達成したのは、それこそ駄目プロの影にかくれて見えづらくなっていますが、もっと評価されていいのではないかと。
しかもその目標が「次になにをするべきか」という課題込みになっている。それが東京ワールド後のチームモロゾフとは違う。誰も燃え尽きずにすんでいる。

とにかく「quad」「confidence」という言葉の多いインタビューだった。そのへん目標だったのがよくわかった。モロゾフがそこに絞って指導していたのも。そして写真を見るにつけ、やっぱりみやけんのレッチリエキシは秀逸だったよなーと。普通にかっこよかったもん、あれ。封印とかもったいなさすぎる。でも一方で、今の彼に必要なプログラムがあの「Around the world」みたいなのじゃないことも事実。難しいなあ、自分らしさって。

やっぱりコミカルなことをやりたい(好きだし最初に評価されたのはそこだし)、でも今更ジュニア時代のマリオみたいなこともできない、じゃあどうする?何をやればシニア上位選手のコミカルとして評価されて、みんなに自分の演技を好きになってもらえるんだろう…という疑問の答えがオースティンパワーズなのかどうかは疑問だが、あの無駄にずっと動いているプロを自分のものにできれば、見えてくる景色もあるのかもなあ。

この際、モロゾフ特有の泥臭いダサさは置いておくよ。うん。

個人的には「海の上のピアニスト」とか似合うと思っている。

自分の生きる狭い世界から離れられない、ちょっと笑えてちょっとせつない天才の主人公。ニューシネマパラダイスも似合ったから、モリコーネはいいんじゃないのかなあ。三十路ロシアン考えといてよ。
あるいはライフ・イズ・ビューティフルなんかも…ってイタリアじゃん!高橋も「道」継続なら全日本イタリア対決じゃん!


でーもねー、織田=イタリア、高橋=ロシア、小塚=北米ってのが私の理想だなーと。そこに無良=スペインとかいう色が加われば面白いのだけれど。