エリック・ボンバール杯・男女SPつれづれ覚書

男子 女子

・やっぱりユーロの選手は方向性をつかむのが巧い。トマシュもアルバンもアンナもグウェンも「ああこっちだな」っていうのが確実にわかる。そういう意味では、方向性がまだ変わりそうな気がするカロリーナって珍しい個性なのかもしれないと思った。
・アダムはロシア(モロゾフ)仕込のいいところと、カナダ(ウィルソン)仕込のいいところを併せ持った、恐ろしい子に成長しつつあるみたい。ロシア王子様的なキリっとした決め顔と、北米王子様スマイルの両方ができるって、あんた結構すごいよ!動きもダイナミックなのに指先にかもめが見えるし。はー。こりゃジョニーやライサやアボットもうかうかしてらんないや。3Aも成功率あがってきたし、何よりPCS出るタイプなのが。
・ユナ子とキャロラインは本当にクワンみたいになりたいんだね。特にキャロライン。ユナ子はそこを一歩越えて自分らしい演技にこだわりを見せ始めた気がする。しかし、キャロラインは素晴らしい表現力と個性が、ジャンプの質的な部分で相殺されているのが非常に勿体ない。勿体ないといえば経営者ブラッドリーとアルバンも勿体ないんだけど。
・織田君を見た後にぽんちゃんを見ると、織田君に足りないものが何なのかわかりやすい…というか、要はステップにもっとスピード感が出るといいなってことなんだけど。でも、重厚感溢れる華やかなステップが苦手だと自覚した上で出来るようになりたいと努力する姿勢はとても潔くて素敵だ。
・ぽんちゃんの手刀は、あれなんなの。あと衣装!胸元隠そうよ。
・「技のつなぎ」って、要素と要素、動きと動きがつながっているとわからなければ、難しいことだけやっても意味ないんだなあと思った。あの子のほうが難しいことしてるのにーっ!って、それ全然違うよなあ。
・そういう意味で、ユナ子のボンドガールは素晴らしい。ひとつひとつの動きにちゃんと意味があって、それが澱みなくつながっていく感じ。あっという間…っていうのを越えて、すごいボリュームあるものをがっつり見て面白かった!みたいな感じ。あとメイクがすごく良かった。メイク映えするあっさり顔を存分に活かしている。
・一方、相変わらず休む間もない仮面舞踏会…これを効果的に見せるには、それこそバトルやパトリックみたいな「しれっと難しいことをしていますが何か?」っていう余裕が必要なんだろうなあ。荒川さんがステップの終盤で「いい顔してますね」って言うまで、表情に意識がいかなかった。ゆかりんやキャロラインは表情に意識がいくパートが必ずあったんだけど、仮面舞踏会にはないから。相変わらず、ハードルの高さは変わっていない。始まりとフィニッシュの表情は良かったんだけど…うーん。せめて「華麗なる大円舞曲」とか「美しく青きドナウ」とかに変えられなかったんだろうか。曲想の重さとテーマの不一致を感じてしまう。
ゆかりんの「オペラ座の怪人」、改めて見て思い浮かんだのは怪人でもクリスティーヌでもなくマダム・ジリーでした。映画版「オペラ座の怪人」をあまり好きでない私ですが、いいなと思ったのは「ミニー・ドライバーのプリマ・ドンナ」と「マダム・ジリーの回想」が華やかな映像で見れたこと。だから、恋とも同情とも畏怖ともつかない淡い思いを抱いてファントムに協力し続けたマダムが、すべての後で仮面を手に彼との若き日々を思い出す…みたいなことを勝手に想像した。マダム・ジリーってファントムの一部みたいなところがあるんだよね。ポイント・オブ・ノーリターンでうっとり微笑むからそう思ったのかも。
・女子の皆さんは衣装の胸元に本当に気をつけて下さい。頼みます。特にユナ子とカロリーナ!