一張羅のドレスをまとってオリンピックを駆け抜けろ

icenetwork.comや、Fan Forumに寄せられたインタビュアーの方のメッセージによると、やはりこれがFS確定らしいです。
曲は"ROME"のサントラと、モリコーネマルコ・ポーロから。

まだ曲名は秘密にしておきたかったけど、どうせ今日のショーYoutubeに載るよってインタビュアーに言われ、織田君にも「まあそれはそうやな」と言われたので曲名とフリーだってことをオフィシャルにしたんだとか。

はてさて皆様、フリーがこの路線だった衝撃からはお戻りでしょうか。

私、常々プログラムの発表って「パーティーに着ていくドレスの発表」みたいだなあと思っています。
私自身、ドレス選びが大変なパーティーなんて大学卒業時しか出たことないけど。でも卒業の半年以上前から「ねえねえ、園遊会で着るドレスは決めた?」みたいな会話を女の子たちとしてました。
本番のドレスはまさに百花繚乱で、結婚パーティーにも使えるタイプのシンプルなドレスが多かったものの、中にはインポートブランド、ティアラ装備の姫風、チャイナ風、和服、ウェディングドレスまで。ああ…うちの大学ってまだバブルなのか?…と思ったもんです。
ちなみに男子は普通のスーツばかりで、女子の絢爛っぷりとはものすごい差でした。当然か、卒業式のすぐ後だ。

まあ、卒業パーティーなら特に順位は決まりませんが、オリンピックのゴールドを争う選手たちのプログラムは、それこそ気合を入れて「最高の一着」を用意したいわけです。自分の個性、ルックス、スタイル、立場、年齢、去年までの評価エトセトラを鑑みて、パーティーの主催者であるオリンピックの女神様の一番を射止めなくてはいけない。

だから、パーティーの傍観者たちもファッションチェックに余念がないのです。どんなドレスを選ぶか興味津々。

「サラさんはいつも個性的なお召し物を選ぶのに、今回はオーソドックスなロミジュリなんですって。」「でもサラさんだもの、きっとどこかに工夫があるはずよ!」
「エレーネさんがカルメン!まったく予想はしていなかったけど絶対にお似合いよ!」「あら、ミライさんもカルメンなのね、どう着こなしが変わるか楽しみだわ。」
「友加里さんは可憐なものを選ぶのかと思ったら、華やかなものになさるのね。」「あの方は可憐だけど強さも魅力ですもの。私はいいと思うわ。」
「レイチェルさんは随分大人びたものを選んだわ。」「パーティーに初参加のティーンとは思えないけど、そこが彼女らしいわ」
「サーシャさんは月光なんですって。」「まあ…あの方ってブランクがあっても外さないわねえ。センスが良くてため息が出ちゃう」
ジョアニーさんはゴージャスでエレガントな『サムソンとデリラ』をお選びになったそうよ!」「まあ、きっとお似合いになるわ!」
「カロリーナさんはシンプルで柔らかなバッハよ」「素敵だわ。カノンもお似合いだったし、美しい素材があの方のしなやかな肢体によく映えることでしょうね!」
「真央さんはシンプルで繊細なドレスが似合うのに今回はラフマニノフなのね。タラソワナイズされすぎじゃなくて?」「でも巧く着こなせばきっと話題になるわよ!」
「ユナさんはゴージャスで印象的なカルメンやトスカだと思っていたらガーシュウィンなんて随分モダンですこと!」「ちょっと意外だけど、先生も会場も北米ですものね。」
という会話がそこかしこでなされているのです(誰だ)。

それで、パーティーの華のひとりである美姫さんのドレスがまだ発表されないのが気になったりして、「どんなお召し物を?」と尋ねると「そうね、ゴージャスなヒロインを選んだわ」と含み笑いをなさるわけです。彼女はゴージャスで個性的なものを選んでも負けないし、意外と繊細でシンプルなものも着こなしますが、なんせ気まぐれな情熱家だから、一旦「このドレス気に入らないわ…」となると途端に存在感が消えてしまう不思議な方。
まあ、彼女のドレスを決めているモロゾフ先生はちょっとコテコテなくらいオーソドックスなものがお好きだし、それじゃトスカかしら?お似合いだったけどアクシデントのあったカルメンをもう一度?あたくしエリザベートなんかもいいと思うわ!いいえ何しろ会場は北米ですもの、ありきたりだけどタイタニックの受けも悪くないはずよ!と思って様々な予測が飛び交う飛び交う。

でもって今回、明らかになったドレスを見て、皆さん予測と外れてびっくりなわけだ。ゴージャスだけど形としてはオーソドックスなドレスが来ると思っていたら、身体のラインと個性的な顔立ちを活かした斬新かつエキゾチックなオートクチュールだったもんだから。

「なんて個性的!今までの彼女のドレスの中じゃ一番良いわよ!」という方も、「まあ…少なくとも会場ではとっても目立つことでしょうね、パーティーの主役になれるドレスだわ」という方も、「何もこういうパーティーでこんなドレスだなんて、悪目立ちしたらどうするつもりなの!?」という方も、「オーソドックスなものを選んでも目を引く方がこんな格好だなんて勿体無い!」という方もいるという状況。

えーっと、個人的には既に術中にはまったような気がしています。

まあ日本のファンはある程度オーソドックスなものを想定していたから「勝負服がこれ?」となるわけで、例えばジョアニーやユナ子さんがこういう系だったら、むしろ勝負服だと思うんじゃないか。
昨季は初戦の掴みをまずった印象があるので、技術的な面はともかく「私はこうよ!」というのをジャッジにアピールすることで、プログラム・ひいては安藤美姫に対する視線をぐっと引き付けることができれば、非常によろしいと思います。

ガラスの仮面風に言えば「これはまた…好き嫌いが分かれそうな…」「フン、観客を見てみろ!…皆があの子を見ているじゃないか。」ということです。別にガラかめ風じゃなくてもいいじゃん!

ちなみに本物のドレス(衣装)は、キラキラ金色スパンキーverはあくまでショーだからセレクトしたらしく、コンペではまた変わるかもねとモロゾフ先生は言ったらしい。